図書館沿革/概要
現在の医学図書館は、ニューヨークの財団法人チャイナ・メディカル・ボード(China Medical Board of New York, Inc.)、国費そして医学部・薬学部の関係者や各方面からの寄付金によって建設され、1961年11月3日(文化の日)に
東京大学医学部創立百年記念の最大事業のひとつとして開館することになりました。
竣工式には300名を越える参列者が集まり、当時アメリカ大統領であったケネディ氏から緒方富雄館長への祝辞
※1が発表されるなど非常に盛会に行われました。
医学図書館が建設される以前は、図書が教室別に分散しており管理が集中化されておりませんでしたので、利用に不便であり運営にも無駄が多く効率的ではありませんでした。
そのような状況下で、本学部教授会はチャイナ・メディカル・ボードから本学に「日本でのモデルとなる近代医学図書館」を建てるための建設費の半額(上限25万ドル:約9千万円)を寄付しても良いという厚意ある申し入れを受諾することになりました。
医学図書館は、鉄骨コンクリート建ての地下1階、地上3階で構成されており、医学部の中心に位置しております。
1階には大きな閲覧室が二つあり、初代館長の緒方富雄教授よりそれぞれALTIUSとPLENIUSというラテン語を名づけられました。
ALTIUSは「より高く」、PLENIUSは「より満ちて」という意味です。
これはもともとALTIUSが「指定図書閲覧室」で学生の勉強に役立つ図書が主に配架されている部屋であり、PLENIUSが「一般閲覧室」として主に研究者の利用に適した資料を配置していたという背景があります。
緒方先生や建設当時にご尽力いただいた方々の、医学図書館ならびに当館を利用する人々に対する期待と愛情が伝わってくる名前です。
皆さんも医学図書館の資料とサービスを利用し、より高く・より満ちていく研究生活または学生生活を送ってください。
※1「東京大学医学部百年史」 p.771
参考文献:
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東京大学医学部百年史 : 東京大学医学部創立百年記念会/ 東京大学医学部百年史編集委員会編集
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東京大学百年史 部局史2/ 東京大学百年史編集委員会編
明治以前の東京大学医学部・医学図書館:
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東京大学医学部の歩み 江戸~明治
医学図書館入り口右側にあるスズカケの木は、「医学の父」と称されるヒポクラテスゆかりの
「ヒポクラテスの木」です。
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第24代館長 高柳 広 免疫学教授 2025(令和7)年4月~
※2024年8月1日から新しい内規が施行となりました。