館長交代 大江先生ご退任、新館長に高戸先生ご就任

2013.4.19

  3月末をもって大江和彦先生が医学図書館長をご退任されました。
 在任期間は6年、歴代館長のなかで最長記録です。
 医学図書館にとってこの6年間は耐震工事、館内レイアウト・カウンターのリニュー
 アルなどのハード面、開館時間の拡大などソフト面ともに変革期でした。
 退任ご挨拶での「図書館は変わっていかなくてはいけない」という言葉に大江先生の
 医学図書館への想いやお考えが凝縮され、とても印象深く心に残っています。
 これからもより良い医学図書館を目指し変わって行きたいと思います。
 大江先生、ありがとうございました。

  そして4月、口腔外科学の高戸毅先生が医学図書館第22代館長へご就任されました。
 新館長のもとスタッフ一同頑張っていきたいと思います。
 高戸先生、どうぞよろしくお願い致します。
 次回は高戸新館長よりメッセージをいただく予定です、お楽しみに!


図書館スタッフから館長への10の質問

2010.6.1

  『図書館長の部屋』 を開設しました。
 このページでは 東京大学医学図書館 大江館長より、様々なメッセージをお届けして
 いく予定です。
 大江館長、医学図書館をより身近に感じて頂くきっかけの一つになればと思います。
 まずは開設記念!としまして、「図書館スタッフから館長への10の質問」をどうぞ。
 研究分野についてや少年時代の話などなど、いろいろとお話してくださいました。

Q 最初に、先生の研究分野についてご紹介お願いします。
また、医師としての専門分野、得意分野は?
A 医療情報学といって、医療に情報学や情報工学を取り入れる手法を研究開発して、それによってより良い医療を実現することを目指す学問を専門としています。医療は患者さんの身体情報をできる限りの方法でたくさん集めて、それをもとに患者さんに何が起こっているかを判断し、健康な状態に戻すために最適最短の方策を選択して実践することで、病気を治すものです。そこでは、ありとあらゆる情報を効率よく収集、分析することが必要で、情報工学やコンピュータなしにはもはや成り立ちません。外科系の研修を数年しましたが、今や医師としての専門分野も医療情報システム領域と言っていいでしょうね。ですから得意分野は、コンピュータプログラミングです。

Q 学生時代、先生にとって医学図書館とはどんなところでしたか? 研究者となられた現在は?
A 買えない高い教科書を読む場所、ある病気や症状についていろいろな本にどのように書かれているか違いを読み比べて自分の頭の中で自分なりに理解していく場所でした。世界的に有名な論文の現物に触れて興奮する場所でもありました。ワトソン・クリックの二重らせんの発表論文のコピーを取った時など、それだけでなにかドキドキしました。電子ジャーナルが普及してきた今では、最新知識を得る場所というよりも、当時はどのように書かれていたのだろうか、などと考えるときの資料を得る場所になりつつあります。

PDFアイコン ワトソン・クリックの二重らせんの発表論文freeアイコン
DNA discovery focus from the nature journal: double helix
(Nature 特集ページ)


Q 医学図書館をどんな図書館にしたいですか?
A 先人の知識を体系的・構造的に整理された形で手にいれて、頭の中に理解イメージを作るための思索ができる場所、先人が積み重ねてきた知識に触れて新鮮な驚きを感じる場所、そして最新知識を電子的に簡単に得られるように体系化してくれる場所、そうした複数の面をもった図書館になるといいと思っています。

Q 小さいころはどんな少年でしたか?
A すごい山の中の一軒家育ちで同学年の人もほとんどおらず小学3年くらいまでは電話も水道もない場所で育ったので、毎日たいてい一人で山の中を駆け回って虫取りをしたり、プラ模型を作ったり、望遠鏡を作っては改造ばかりして星を眺めたりしていました。今でもそうですがシャイで人見知りでしたね。ガリガリにやせていてひょろひょろだったみたいです。

Q ソウルフードは?
A 大阪なので、やはりお好み焼きと、たこ焼きです。

Q 気分転換にすることはありますか?
A ベランダに望遠鏡(25cm反射望遠鏡)を出して月か惑星を見てみること。たまに大声で歌えるカラオケで発散。最近はまりだしたのが、休日の防波堤などでの海釣りです。始めたばかりでまださっぱりですが、釣れた後の魚料理も楽しいです。

Q 絶対に一人会えると言われたら、誰に会いたいですか。
Q 小学校3年くらいのときに数ヶ月同級だった、あとで思えばもしかしてあれは初恋だったのかなあと思う気持ちを持った女の子。でもきっとそういうのは会わないほうがいいのでしょうね。

A 先生のファッションセンスはなかなかだと思いますが、スタイリストはご自身ですか?
A そうかな。ありがとうございます。
きっと土台がいいのでしょう(笑)

Q 座右の銘は?
A うーん、まだ座右の銘を語れる歳でも立場でもないのでパス。

Q 最後に、先生の夢を教えてください。
A ・専門医と対等に患者さんの病状について医学的議論ができる知能コンピュータ
 システムを開発して、それを医師が使って診療をするようになること
・病気が治らずに悲しい気持ちになる人が一人でも減る世の中にすること
・ロケットに乗って地球周回軌道から丸い地球を眺めること。
・完璧な降るような星空の中に身を置くこと
・巨大なほうき星(彗星)を肉眼で見ること
など、いろいろあって大変です。